人物が和服を着用した姿のことを一般に「和装」と呼びます。和服は着物(長着)と帯、袴や足袋などの要素を持った日本の伝統的な衣装ですが、映像作品や創作においては、キャラクターの衣装やファッションとして、和装をベースにアレンジしたコーディネートもよく見られます。
イラストレーター 神威なつきさんの著書「レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック」では、和服の要素に「ファンタジー」や「花」などのテーマをかけあわせ、キャラクターの衣装として成立させるアイデアを多数収録。組み合わせたモチーフと合わせて、衣装を着たキャラクターの作例を掲載しています。衣装デザインのアイデア帳として、イラスト集としても楽しめる一冊です。
本記事では第4章「食べ物」より、「パンケーキ」をモチーフとした和装アレンジの例を紹介します。
パンケーキ
現代のスイーツをレトロ仕立てにするには、設定が重要になります。どんなパンケーキにするかを決めてからキャラ化していきます。
雀×パンケーキ
デザイン意図
パンケーキを作っている雀の女の子の設定にし、割烹着姿にして時代の特色を出します。イチゴと生クリームのシンプルなパンケーキをモチーフにし、ふわふわしたパンの印象を、首のファーと、割烹着のシルエットや、袖や裾のフリルで表現。調理道具、髪飾り、イチゴのポイント飾りで、キュートなキャラに仕立てています。
- パンケーキをそのまま帽子にしている。
- 割烹着のフリルを誇張し、かわいらしさとモダンな印象を追加。
パンダ×パンケーキ
デザイン意図
あんみつを擬人化したキャラです。花魁(おいらん)を彷彿させるかのように色鮮やかな着物仕立てにするため、色つきの寒天やぎゅうひ、フルーツで作った巨大な帯のようなデザインにし、ゴージャス感を出しています。袖を二重にしているのも特徴で、モダン要素としてつけたフリルは生クリームに見立てています。
- バターをイメージした髪飾り。髪色はパンダということでツートンカラーにしている。
- シロップをかけているイメージをそのままスカートのデザインに。
パンケーキのイメージ
実物のビジュアルをキャラクターデザインに応用した。