レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック
第9回

「あんみつ×和装×スチームパンク」を成立させる鍵は「配色」

人物が和服を着用した姿のことを一般に「和装」と呼びます。和服は着物(長着)と帯、袴や足袋などの要素を持った日本の伝統的な衣装ですが、映像作品や創作においては、キャラクターの衣装やファッションとして、和装をベースにアレンジしたコーディネートもよく見られます。

イラストレーター 神威なつきさんの著書「レトロモダンな和装の女の子 キャラクターデザインブック」では、和服の要素に「ファンタジー」や「花」などのテーマをかけあわせ、キャラクターの衣装として成立させるアイデアを多数収録。組み合わせたモチーフと合わせて、衣装を着たキャラクターの作例を掲載しています。衣装デザインのアイデア帳として、イラスト集としても楽しめる一冊です。

本記事では第4章「食べ物」より、「あんみつ」をモチーフとした和装アレンジの例を紹介します。

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あんみつ

餡の茶色がベースで地味な見た目のあんみつを、華やかに演出。モダン要素として着目するのはトッピングの食材です。

スチームパンク×あんみつ

デザイン意図
ファンタジーや歴史改変のコスチュームとしての印象があるスチームパンクを取り入れた服装。袖や衿を羽織ベースにしており、大正時代に流行した「クロッシュ」という帽子や懐中時計を組み合わせています。色鮮やかなフルーツのトッピングを飾りにし、これがキーカラーになり、パンキッシュなキャラ設定を助長させています。

  • 帽子の「クロッシュ」は餡をイメージしている。
  • グラデーションはバニラが溶けて黒蜜と混ざったイメージ。

姫×あんみつ

デザイン意図
あんみつを擬人化したキャラです。花魁(おいらん)を彷彿させるかのように色鮮やかな着物仕立てにするため、色つきの寒天やぎゅうひ、フルーツで作った巨大な帯のようなデザインにし、ゴージャス感を出しています。袖を二重にしているのも特徴で、モダン要素としてつけたフリルは生クリームに見立てています。

  • 中心を餡の色をベースにし、周囲にカラフルな色を配置している。
  • 二重になった袖につけたフリルは生クリームのイメージ。

シルエット
菱形シルエットを意識している。

アレンジ
バニラとあんみつをイメージした髪色にしている。


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