色気のある男の描き方
第2回

色気のある男性のイラストをマスターする〜男性の顔パーツと表情のバリエーション〜

イラストレーションにおいて、男性キャラクターの美しさ、かっこよさ、セクシーさを表現するポイントは、骨格や筋肉の付き方、仕草、ファッションなど様々な点で女性と異なります。物語においては、線の細い美少年から筋肉質な格闘家、年齢を重ねた中高年男性など、人生のステージや立場によって、採用されやすい男性キャラクターの類型がいくつかあります。

色気のある男の描き方」では、「男性の色気」という抽象的で感覚的な概念をイラストとして表現するためのテクニックを紹介。男性の体の構造と女性との主な違い、男性らしい体つきのバランス、顔と体の各パーツや動きのあるポーズの描き方をはじめ、「美形男子」「ハードボイルド」「格闘系」「ナイスミドル」といった類型ごとの描き分け方までカバーしています。

本記事では、CHAPTER2「男らしい体を学ぶ」より、男性らしい顔のパーツの描き方についての記述を抜粋してご紹介します。

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色気のある男の描き方

顔のパーツと描き方

一人ひとり違う顔の作りですが、人物を描くうえで、目、鼻、口をパターン化することができます。ここでは、男女の顔の作りの違いと各パーツの特徴を解説します。

男性の顔

男性の顔は、角張ってゴツゴツし、各パーツが濃く描かれることが多いです。目と眉は力強く、鼻は女性よりも大きく、鼻筋が通っています。張ったエラとシャープな顎が特徴的です。

  • 目/眉:眉は直線的で、目はやや角張って描く傾向。美形男子の眉は細め、格闘系は太く描きます
  • 鼻:鼻筋が通り、女性より大きめです
  • 口:引きしまった真一文字で、唇は薄めに描くのが一般的です

女性の顔

シャープな印象の男性と違い、丸みを感じさせる顔立ちです。卵形の輪郭に大きなアーモンド型の目が特徴的。鼻は男性よりも小さく低めで、口元は口角が上がり、唇はふっくらとしています。

頭蓋骨で見る男性の特徴
大きな特徴は額周辺と顎周り。おでこは平らで眉骨が飛び出しており、顎はしっかりと発達して角張っています。

角度を変えて見た顔の表情

角度を変えて見ると、男性的な特徴が強調されたり、見えなくなる場合があります。輪郭や目鼻立ち、口がどのように見えるかを把握しておきましょう。


横から見ると、平らな額と飛び出た眉骨、通った鼻筋、角張った顎は男性的です。

  • 通常ではまつ毛はあまり描く必要はありませんが、美男子系のジャンルであればきっちり描きましょう
  • 美しい男性の横顔は、鼻、口、顎の先端が一本のライン上に並ぶように描くとよいとされています
  • 耳は目と同じ高さに描くとバランスがよくなります

斜め上
斜め上から見ると、頬から顎にかけたシャープな輪郭が特徴的です。顔の中心線を通る鼻と口元が立体化され、表情がよく見えるアングルです。

  • 縦のラインを意識して、鼻と口の中心部を描くようにします

俯瞰
髪の毛の部分が半分を占め、顔面の間隔が狭まって見えます。髪の毛の流れやボリュームを意識して描くことが大切です。

  • 眉と目、鼻と口の間隔がほとんどありません

あおり
顔の中心線から目、鼻、口が弓状に外側に流れて見えます。また、下から見た鼻の形は三角形、下顎骨(かがくこつ)はゆるやかな「W」のような形状をしています。

  • 下から見ると、目は顔の球状に沿っているため、垂れ目に見えます

感情表現

口や目を描き分けることで、感情表現が豊かにでき感情の度合いに応じた描き分けができるようにしましょう。

笑顔
目を細めて目尻を下げたり、口は口角を上げたりすることにより、笑顔を作ることができます。

左:口角を上げるだけで微笑んで見えます 中:目をつぶり気味にして目尻を下げると嬉しさも表せます 右:目をやや細め、口を大きく開けることで笑っている表情が作れます

怒り
顔面に力が入った状態で、眉間にシワが寄り、歯を食いしばるなどの特徴が見られます。

左:無表情に近い状態ですが、口角が下がることで不愉快な感情を表します 中:眉頭をよせ、口角を大きく下げることで強い怒りを表現します 右:眉をつり上げ、歯を食いしばった状態は、怒りが爆発したイメージです

悲しみ
目と口角が下がった状態になります。涙をこぼすことで大きな悲しみを表現できます。

左:目を細め、眉や目尻が下がり気味になることで悲しみを表現します 中:眉や口角を下げたまま、涙を流すことで強い悲しみを表します 右:開いた口を描くことで、感情が抑えられず声を出して泣いている印象になります

色気のある男の描き方

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