キャラクター表現において、そのキャラクターが身につける装飾品は、キャラクターの性質や個性を表現する重要な要素です。物語の中でキャラクターが活躍する際に、読者や視聴者がそのキャラクターを識別する際のトレードマークであり、それは単なる装飾品の枠を超えた、キャラクターが持つアイデンティティの一部とさえいえるでしょう。
イラストレーター・24氏が手がける「キャラクターを彩る 小物の描き方」では、帽子や眼鏡、ネックレス、腕時計、ベルト、靴、文房具など、キャラクターが身につける「小物」の様々なバリエーションを例示。小物単体だけでなく、キャラクターに着せた着用例も提案しており、小物自体の描き方に加えて、キャラクターのファッションを考えるアイデア出しにも使える一冊となっています。
本記事では「OTHER」の章より、基本的な「飲料水/食料品」のイメージと、消費している様子の例を抜粋して紹介します。
飲み物や食べ物を手に持たせるだけで、動きのある人物描写になります。
飲み物
ペットボトル
ペットボトルは、光と影の入れ方で立体感や飲料の透明感を表現します。カラーで描く場合は、光源を意識しましょう。
テイクアウトコーヒー
中身がホットドリンクの場合、フタに飲み口がついているものがあります。フタは容器よりも一回り大きく描き、上からかぶせるイメージで。
使用例
紙パック
底やサイドに折込みを描くとより紙パックらしくなります。飲んでいる雰囲気を出す際は、少しパックの中央を潰すようにしましょう。
ペットボトルを飲む人
背景と手がボトルの奥で透けている感じを出すのがポイントです。水面の傾きや透けた手のひらの影を入れると、より透明感が出ます。
食べ物
チップス
スナック菓子の袋は光沢を出して質感を再現します。食べかけの袋の場合は、くしゃっとしたシワや影を入れると、より雰囲気が出ます。
アイスバー
アイスバーのような氷菓子は、水っぽさがポイントです。光の反射や溶けた水滴などを描いて本物らしくします。中にフルーツを入れたり、カラフルにしてみたり……。工夫次第で、おいしそうに、かわいく表現できます。
全身イラスト
食べ歩きコーディネートです。多色使いですが、色で散漫な印象がありません。その理由は彩度でバランスを調整しているからです。
両手持ち
両手を添えて、クレープを持つとかわいらしさを演出できます。左手の指は第一関節~第二関節までが見えるように描くと、奥行きが感じられます。
シチュエーション別飲み物の容器
飲み物の容器は、人物が現在どこにいるのかを知らせる重要なアイテムになります。例えば、ライブハウスでは基本的にバーカウンターでドリンクやアルコールを購入するので、店側が出すプラスチックカップや紙カップなどの使い捨て容器が基本。野外ライブではペットボトルや、首かけフォルダーのマグボトルなどを使用します。
街
路上や公園などでは、テイクアウト用カップやペットボトル、缶が適切です。またジョギングなどの休憩シーンによく登場するのは、ペットボトルやスクイズボトルです。
山
山中の描写では、マグボトルやペットボトルが基本です。またキャンプなどのアウトドアシーンでは、ステンレスやプラスチックのマグカップなどが使われます。
室内
部屋主の設定によって個性を出せます。高級な陶器でティータイムを楽しんだり、渋い湯飲みで緑茶を飲んだり……。人物の性格を考えて、一番合った容器を持たせましょう。