堤信子のつつみ紙コレクション
第7回

不要になった紙モノを蒐集する「エフェメラ」のすすめ

文具・雑貨コレクターとして知られるフリーアナウンサーの堤信子さんによる「堤信子のつつみ紙コレクション」は、「紙を愛でる」「紙を生かす」を切り口に、堤さんが数十年かけて収集した日本各地、世界各国の様々な店舗、ブランドの包み紙を紹介する趣旨の書籍です。包み紙のほかにも、紙袋、切手、ポストカード、古書、コースター、古地図など幅広いカテゴリの紙グッズを収録。包み紙をノートや飾り皿などのアイテムに加工するアイデアも紹介しており、様々な角度から「紙」の魅力を楽しめる内容となっています。

本記事では、チャプター4「EPHEMERA」より、普通は捨ててしまう「紙もの」をコレクションする文化「エフェメラ」を紹介します。

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堤信子のつつみ紙コレクション

 

ビューバー

万年筆が主流の筆記具だった時代、たくさんの企業がビューバー(インクの吸い取り紙)に広告を刷っていました。サヴィニャックなどの有名画家が描いたものもあり、今では高値で取引されているものも多く存在します。

チーズやマスタードなど、食品系のビューバーは多色使いのものが多く人目を引く

古書

1冊、1冊手作りされていた時代の本はエンボス、活版印刷、革装丁など、とても贅沢に作られていてそれだけで芸術作品です。古書は見て、触って楽しめる、まさに紙のアート。

パリの蚤の市で掘り出しものの紙アイテムを見つけた時の嬉しさは格別。まさに、この雑誌との出合いがそう。今でいうバックナンバーが豊富にそろい、心惹かれる表紙のデザインを見比べる楽しさも味わせてくれます。

1910年~1930年代の婦人向け雑誌。まだ写真よりもイラストが主流だった頃のもの。中面には、ファッション、洋裁、型紙がたくさんついている実用的な雑誌。

 


<玄光社の本>

堤信子のつつみ紙コレクション

著者プロフィール

堤 信子

堤 信子

幼少からの紙好きが高じて、フリーアナウンサー、エッセイスト、
大学の講師という肩書に加え、「紙採集家」としての活動を本格的に
スタート。集めた紙は、包み紙や紙袋、紙箱の他、ホテルのレター
セットやカフェの紙ナプキンやコースター、ヴィンテージペーパーな
ど多岐にわたる。著書に『100人中99人に好かれる ありがとう上
手の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『旅鞄いっぱいの
パリふたたび』(実業之日本社)、『旅鞄いっぱいの京都ふたたび
(実業之日本社)などがある。最近では、紙採集家として出演した
人気TV 番組での紙コレクションの多さと、紙への想像を超えた
愛情が話題となり、紙好きとしての認知度が着実に広がっている。
紙は「使い捨てる」ものから「愛でるもの」へ。紙を大切にして
欲しいという活動は、自身の紙コレクションを通して今後も続く。

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