「ファンタジー衣装の描き方」では、ファンタジー世界観を持つ作品のキャラクターがまとう衣装のデザインを行う上での発想法と実例を掲載しています。
現代に実在する洋装と和装をベースに、ファンタジー風のアレンジを施す方向性。キャラクターの年齢や性別ごとに適切な服装を例示し、ディテール描写や髪型、小道具をデザインする際の留意点にも言及しており、作画資料としてだけでなく、発想をつなげて新たな装いを生み出す楽しさも学べる一冊です。
本記事ではChapter4「衣装のアイデア」より、「バトルファンタジー衣装」のアイデアを抜粋してご紹介します。
バトルファンタジー衣装
自由度の高いバトルファンタジーはキャラクターの設定(年齢や出身地)に合わせて掛け合わせるとよいでしょう。特になければ得意技や武器から考えても○。
【くのいち×モモンガ】
くのいちの動きをイメージして掛け合わせる動物をモモンガに決め、衣装には日本の伝統色の紫を生かしたデザイン。
- 肩から羽織る襟つきのマントはモモンガのように広がります。
- 網タイツは細かく描くことで透明感を表現します。
- 足元の足袋は黒くしてトータルコーディネートとして締める色合いになります。
【僧侶×黒子】
黒子のほっかむりの角をたらして猫耳風にし、キュートな印象をもたせています。黒子の衣装を白色にして数珠をモチーフとしたネックレスで僧侶のテイストを加えて仕上げています。
- 差し色に紫を使用して、宗教色を強めます。
- 風に舞う袖が軽さを表現しています。
- プリーツの間の凹みを暗い色味にして表現。折り目にホワイトを入れることで凹凸が表現できています。
黒とグレー、グレーに合わせたトーンの乳白色(または白)を使用して僧侶らしさを保つように。
バトルファンタジー・女性編
【シスター×霊媒師】
シスターの衣装に、東洋の霊媒師が使う小物を組み合わせたデザインに。振袖的な衣装も和装のテイストを加えています。
- コートから出ているスカートはプリーツがあるものに決定。
- 足元はお祓い師が履く和装のものを採用。
シスターをイメージした配色で白と紺を反転させて面白味のある配色にしてみましたが、イメージと違うので最終的には変更。
ニュアンスグレーで日本の伝統色を用い、霊媒師風に。ベールの長さは腰くらいまでのもの。動きに合わせて布が舞います。インナーはプリーツ加工。
背面
バトルファンタジー・男性編
【忍者×スポーティー】
忍者を現代風にアレンジ。活発な動きに合うようスニーカーをはかせることや、ジャージを着させてスポーティーさをプラスしています。
はちまきの長いリボンは太いペンでラフに描きます。グレーと赤の組み合わせでスタイリッシュに仕上げます。
顔を半分隠すマスクで正体不明の雰囲気を表現。スニーカーやインナー、はちまきを同系色にしてまとまりを。色のトーンも落ち着いた色味で派手にせず忍者らしさをキープ。
<玄光社の本>