ポール・コックスデザイン&アート
発行:パイ インターナショナル/定価:2,900円+税AD:水口克夫(Hotchikss)D:金子杏菜(Hotchikss)
フランス人アーティスト、ポール・コックスさんの日本初の作品集が出版された。これまで手がけた600点以上の作品をフランスの仕事、日本の仕事、絵本・書籍など7つのカテゴリーに分けて紹介。話題になった「JR東日本北陸新幹線」開業CMのイラストレーションはもちろん、フランスの劇場用ポスターなど、日本ではほとんど知ることの出来なかった作品も多数収録しており、資料的価値が高い。ブックデザインは著者らしい遊び心にあふれており、本人による描き文字が多く使われているなど、うれしい演出がつまっている。
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青高チア部はかわいくない!①
conix 著
発行:KADOKAWA /定価:680 円+税/ BD:佐藤亜沙美
本誌214号「女の子を描く」でも特集したconixさんの初コミックス。“かわいくない”というタイトルに反して、かわいい(だけじゃない)女子高生たちがチア部に青春を捧げる、笑いあり涙ありの青春スポ根+ギャグ(+恋愛?)漫画!「ポパイ」「狙いうち」など誰もが聞いたことのある定番応援曲の振り解説も収録されており、読後に踊りたくなること間違いなし。佐藤亜沙美さんが手がける、ポップで可愛い装丁にも要注目。
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合田佐和子 光へ向かう旅
コロナ・ブックス 編
発行:平凡社 定価:2,000 円+税/装丁・レイアウト:木村真喜子(lunch)
心眼のレンズを通して見た少女や猫や花などのモチーフを、徹底した美意識のもと、油彩やオブジェ、写真、コラージュなどで表現した伝説の画家合田佐和子さん。没後初の作品集となる本書では数多くの未発表作品に加え、巖谷國士、光田ゆり、山崎まどか、小林麻美、吉本ばなな、種田陽平、ヒグチユウコ、合田ノブヨらによるエッセイとドローイングを収録。改めて75年の生涯で制作された氏の作品の美しさ、多彩さに息を呑む。
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なくなりそうな世界のことば
吉岡乾 著 西淑 絵
発行:創元社/定価:1,600 円+税/D:近藤聡(明後日デザイン制作所)
世界で話される50の少数言語のなかから、各言語の専門家が選んだ単語に文と絵を添えて紹介する、「小さな」言葉の単語帳。たとえば、カナダで話されるツィムシアン語の「ツウォホ」は「寝る前におやつを食べる」という意味。イラストレーターの西淑さんが描いた静謐な絵を眺めて、1ページめくるたび、遠いどこかで息づく言葉と人々の暮らしがふわりと思い浮かんでくる。
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かわうそ3きょうだい とらのまき
あべ弘士 作
発行:小峰書店/定価:1,500 円+税/装丁:羽島一希
絵本作家のあべ弘士さんが、大好きな動物「かわうそ」の3兄弟を描いたシリーズ4作目。
「森のなかで一番強い生き物はだれ?」と気になる末っ子に、「それはトラさ」と兄ちゃんたちは答えます。森の奥へ探しに出かけた3兄弟と、そこで出会った迫力満点の大きなトラ。旭山動物園の飼育係だったあべさんが、動物たちへの愛情を余すことなく色彩とストーリーにこめた絵本。
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そらの100かいだてのいえ
岩井俊雄 作
発行:偕成社/定価:1,200 円+税
おなかを空かせたシジュウカラのツピくんが見つけたのは、1粒のひまわりの種。花を咲かせて種を増やそうと、植える場所を探して空へと飛び立ちます。雲の上にあった100階建ての家では、「くもさん」「あめさん」「にじさん」など、自然現象が生活していて……。縦に開く大迫力の画面で、生き物と自然環境とのつながりを描いた絵本「100かいだてのいえ」シリーズ最新作。
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馬場のぼる ねこと漫画と故郷(ふるさと)と
馬場のぼる 著
発行:こぐま社/定価:3,000 円+税/ AD:足立秀夫
幅広い層から支持を得ている『11ぴきのねこ』が発刊されて早50年。その生みの親、馬場のぼるさんの仕事とそのルーツを辿るビジュアルブック。彼の描く軽やかであたたかな世界を支えていたものはなんだったのか? その問いの答えが垣間見られる、没後発見されたたくさんのスケッチブックや資料、絵本以前の漫画や子ども時代の絵などをふんだんに収録。また周囲の人々から語られるエピソードにも新たな発見がつまっている。
→「馬場のぼる ねこと漫画と故郷と」
「イラストレーション No.217」 |