キャラクターイラストにおけるヘアスタイルは、その人物の個性を印象付ける重要な要素です。描ける髪型のレパートリーが増えれば、キャラクター表現の幅が拡がります。
「キャラクターデザインのための髪作画」では、イラストレーターの夏目レモンさん、ネコサンさん、maruさん、葉月ナツさんによるヘアスタイルの作例を多数収録。アタリからラフ、線画、着色のほか、メインに解説したヘアスタイルのアレンジ例も3パターン用意しています。監修はヘアメイクアップアーティストのAKIさん。
本記事では Part2「ヘアレシピ:長さ」より、「カール・ボブ」の描き方を紹介します。
カール・ボブ
ランダムなカールの大人カジュアルスタイル
前上がりラインのボブは、顔のりんかくがはっきりし、かわいらしく明るい雰囲気になります。内巻きと外巻きのワンカールをランダムに混ぜると、ハネ感がありつつもふんわり軽やかな仕上がりに。
POINT 3層のセクションを意識する
アンダーは内巻きワンカール、ミドルは内巻きと外巻きのミックスワンカールにする。オーバーは、根本から大きめスパイラル巻きをバースに流して、毛先を内巻きにする。
※以下、髪以外のメイキングは省略しています。
アタリ①
ヘアスタイルに合わせて構図を決める。毛先にハネが多いので、それを見せるように体の向きを傾ける。
アタリ②
外ハネや細かい毛が多いため、無造作になりすぎないようにラフを起こす。内ハネ8、外ハネ2の割合で構成する。
ラフ①
やわらかくハネる髪の毛を意識して、前髪から横髪にかけて描いていく。細かい毛束をところどころに入れていく。
ラフ②
後ろ髪を描く。毛先は内側に「ハネる」より、「回り込んでいく」ように意識をすると、自然なハネを表現できる。
線画①
ラフをもとに、前髪から描いていく。前髪の時点では細かい毛は描き込まず、アウトラインをとっていく。
線画②
後ろ髪を描く。毛束の重なりを意識しながら、全体に細かい毛も加えていき、髪に動きを出す。
線画完成
大まかな線画が終わったら新規レイヤーで細かい毛を描き、重なる部分を消してから結合して仕上げる。
下塗り
線画にレイヤーを重ね、髪の範囲内を塗りつぶして下塗りをする。毛先の細かい部分もしっかり塗る。
影を置く①
毛束に沿ってざっくりと影を置く。細かい毛やハネの表面になる部分には影をのせずに、その後ろ側に置く。
影を置く②
細かい毛が重なる部分や、毛束の奥まっている部分のきわに、1より暗い色で影を置いていく。
ハイライトを入れる①
頭のはちに沿ってハイライトを大きめに入れる。前髪の毛先のラインにもハイライトを入れていく。
ハイライトを入れる②
「覆い焼き(発光)」を10~20%で設定したレイヤーをクリッピングし、エアブラシでベージュがかったブラウンをのせる。
着色完成
レイヤーの1番上に新規レイヤーをつくる。細かい毛を足して、全体的に動きをつける。