キャラクターデザインのための髪作画
第6回

「ストレート・ショート」のマッシュヘアの描き方

キャラクターイラストにおけるヘアスタイルは、その人物の個性を印象付ける重要な要素です。描ける髪型のレパートリーが増えれば、キャラクター表現の幅が拡がります。

キャラクターデザインのための髪作画」では、イラストレーターの夏目レモンさん、ネコサンさん、maruさん、葉月ナツさんによるヘアスタイルの作例を多数収録。アタリからラフ、線画、着色のほか、メインに解説したヘアスタイルのアレンジ例も3パターン用意しています。監修はヘアメイクアップアーティストのAKIさん。

本記事では Part2「ヘアレシピ:長さ」より、「ストレート・ショート」の描き方を紹介します。

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キャラクターデザインのための髪作画

ストレート・ショート

艶のある質感の重めマッシュヘア
マッシュルームのような丸みが特徴のマッシュヘア。髪全体を根本から自然な内巻きハーフカールにします。毛量を多めにして束感をしっかり出すことで、アンニュイな印象に仕上がります。

POINT 前髪のラインで「マッシュ感」を出す
前髪はトップから深くとり、幅広にするのが束感を出すポイント。目の上ぎりぎりで位置でそろえ、前上がりラインになっているサイドとつなげることで、一体感のあるシルエットになる。

※以下、髪以外のメイキングは省略しています。

アタリ①
ヘアスタイルに合わせて構図を決める。ストレートの髪なので、顔を傾けて毛先にハラリと動きをつける。

アタリ②
前髪の形をとる。毛量が多く髪に密度があるので、アタリの時点では線はあまり描き込まないようにする。

ラフ①
アタリをもとにきれいめのラフを前髪から描く。毛量が多く髪に密度があるので、毛束は太く少なめにする。

ラフ②
全体のアウトラインを描く。丸めに整ったフォルムのヘアスタイルなので、頭部の形を意識する。

線画
ラフをもとに線画を描く。前髪の細かさを表現するために、細めの設定のペン先で毛先を描いていく。

線画完成
顔の傾きに沿って、後ろ側の髪が後頭部に回り込むように描く。細かい毛を足す。

下塗り
線画にレイヤーを重ね、髪の範囲内を塗りつぶして下塗りをする。まゆに前髪が完全にかかるため、前髪を透けさせる。

グラデーションをつける
頭頂部と前髪の下側部分に、少し暗めの色をエアブラシでグラデーションになるように置いていく。

影を置く
毛流れに沿って細めに影を入れ、耳のまわり、頭頂部にも置く。毛束の重なる部分や頭のきわに濃い影を置く。

ハイライト
頭のはちに沿ってハイライトを大きめに入れ、ブルーグレーの色でグラデーションに沿ってハイライトを置く。

ハイライトを入れる
後ろ髪の空間を見せるために、やや明るい色を置く。エアブラシで前髪に肌色をうっすらのせる。

着色完成
「覆い焼き(発光)」を10~20%で設定したレイヤーをクリッピングし、エアブラシでオレンジをのせる。


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