自分の作品や自社の商品を紹介する手段のひとつとしてSNSを使う手法は定着して久しく、さりとてこれを自分でやってみると、意外と思ったようにはいかないものです。写真をはじめとしたビジュアルの組み合わせによって作品やブランドの持つ世界観を表現する基本は今も昔も変わりませんが、そのノウハウは日々進化しています。
「Instagram あたらしい商品写真のレシピ」では、Instagramの特性と他SNSとの比較や、カタログとして機能させるための具体例、掲載写真の作例まで、一般ユーザーから一歩踏み込んだ、作り手による情報発信の視点で役立つ実用的なノウハウを幅広く紹介しています。執筆を担当しているのは、インスタグラムをはじめ活躍の場を広げているフォトグラファー/インスタグラマーの綾さん、古性のちさん、6151さん、新田知沙さん、中野晴代さん。
本記事ではStep4「被写体×世界観に合った撮り方を覚える」より、鏡などを用いてアクセサリーをゴージャスに表現する撮影方法を紹介します。
アクセサリー×ゴージャス
小さな指輪はスワッグで囲んで鏡の上に載せるとボリューム感のある写真に
撮影難易度 ★★★★★
撮影データ:マニュアル・F5.3・1/160秒・ISO400
Item
・レンズ交換式カメラ(SONY・α7R III)
・標準ズームレンズ(SONY・FE 24-70mm F2.8 GM)
・画像編集アプリ(Adobe Photoshop Lightroom)
・クリスマス用スワッグ(造花)
・鏡(A4サイズ程度)
Recipe
1. 鏡の上に指輪を載せ、スワッグで囲みます。鏡に映る像が加わることで、画面全体のボリューム感がアップ。反射した光で明るさも増し、指輪をキラキラと輝かせることができます。
Memo:柄布やレースなど、鏡に反射させる対象を変えることで様々なパターンをつくれます。背景紙や添える小物がないときも、鏡を利用することで写真にボリューム感を出せます。
2. 自分が鏡に映り込まないように、レンズを望遠寄りにして、30cmから1mほど距離をとって撮影します。明るい単焦点のレンズを使うと、暗く光量の限られた状況でも、露出設定の選択肢が広がります。
Memo:明るさを確保するためにシャッター速度を遅くしたい場合は、三脚とセルフタイマーを組み合わせて使うとブレを防ぐことができます。
Memo:映り込みの心配がない場合は、レンズの最短撮影距離まで近づいて撮ると、トリミングの手間を省くことができます。
3. 標準ズームレンズで距離を取って広い画角で撮影したので、指輪にクローズアップして見せるために、仕上げにトリミングをします。
Memo:指輪などの小さい被写体は、よりクローズアップできるマクロレンズでの撮影がおすすめです。
画面下の余白をトリミングすることで、バランスが整い、ボリューム感も高まりました。