立体造形や絵画において人体を美しく見せる手法の一つに、「コントラポスト」と呼ばれるポージングの技術があります。片足に重心をかけることで両肩と腰の傾きを相反させ、左右非対称の姿勢をつくるコントラポストは、ポーズに動的な要素を加え、様々に応用できる技術です。
「動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編」では、コントラポストの考え方を基礎として、女性のポージングに特化した作画方法を指南しています。特にポージングに関する項目としては立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズなど、イラストレーションだけでなく、模型や3Dモデルの制作、写真のモデルとしてポーズしたり、ポージングを指示する際にも役立つ知識が得られる一冊です。
本記事ではPart.4-1「その他の動作」より、人が歩いているときのポーズを解説します。
歩く体を描く
両肩や骨盤が左右非対称になるウォーキングポーズにはコントラポストが不可欠です。
歩くポーズの正面
一歩前に踏み出した足側の腰は上がり、肩は下がります。正面アングルで歩き姿をリアルに表現するには、パースのつけ方が大事です。
- コントラポストをかけることでリアルな歩き姿が描けます
- 上体は軽くひねって
- 踏み出した足側の骨盤は上がる
- 踏み出した足側の肩は下がる
- 手前は大きく、奥は小さく描き、動きをつける
歩くポーズをリアルに表現するために、髪をなびかせるのも効果的!
歩くポーズのバリエーション
横アングルでは、手足の振り方がナンバ歩き(同じ側の手足が同時に出る歩き方)にならないように。ゆっくりした歩きを表現するときは、腕の動きを控えめにしましょう。
- キャラクターが動いている姿をイメージしよう
- 踏み出した足側と反対の腕が前に出る
- ゆっくり歩くときは腕の動きが小さくなる
- 背骨はS字を意識して
One Point Advice:足は不自然にならないように
歩いているとき、両足が完全に地面につくことはないので注意。また、踵から地面についていることを意識して描くと不自然になりません。