メディアやステージで活躍するアイドルの衣装は、本人やグループ、あるいは曲のイメージに合ったものが作られます。キャラクターデザインにおいても、衣装はキャラクターの個性を表現する重要な要素です。
「アイドル衣装デザイン図鑑」は、主に女性アイドルが着る衣装デザインをもとに、キャラクターのイメージに合った衣装の描き方を伝える切り口の指南書です。定番イメージのアイドル衣装から、特定のテーマをモチーフにしたオリジナル衣装、素材感や装飾などのディテール、配色にいたるまで、女性キャラクターの魅力を引き出す表現を多数収録しています。
本記事では、第4章「装飾のアレンジと配色」より、「色で素材感を表現する方法」を紹介します。
光沢感とシワの影で変化をつける
素材を色で表現するポイントは、光沢の入れ方とシワに沿ってできる影。それぞれの素材の反射具合や、シワのでき方の特徴をとらえて塗っていきましょう。
綿
サラリとした生地でナチュラルな印象。ある程度厚みがあり、光を反射しにくい素材。
- シワはくっきりと凹凸ができるので、影は深めに入る
- 光沢は鋭く入るのではなく、ぼんやりとした面で光るようなイメージ。ハイライトは生地の色が少し明るくなる程度の色味
サテン
光沢があり、スルスルとした手触りが特徴。ストンと下に落ちるので、大きなシワはできにくい。
- 深いシワはできにくいが、光沢感のある生地なのでシワ部分とのメリハリがつく。シワは濃い色となる
- 綿よりは強くハイライトが入るが、直線的ではなく面で入るイメージ。色は白っぽくなる
エナメル
光を反射しやすく、金属やプラスチックのようにツヤツヤと輝く。光と影のコントラストが大きくなるのが特徴。
- 光が当たる部分と、シワの部分のメリハリが強く出る。そのため、凹凸感が出やすい
- 光をよく反射するため、ハイライトが鋭く、線状に入る。色は白っぽくなる
レザー
オイル加工をしていないヌメ革風のレザーの場合、光を反射しにくく、ぼんやりと色の違いができる。
- 生地が厚く、深いシワができやすい。そのため、シワの周辺が暗い色になる
- 光を反射しにくい生地のため、光が当たっている部分がぼんやり明るくなる程度。コントラストはあまり強くない
<玄光社の本>