メディアやステージで活躍するアイドルの衣装は、本人やグループ、あるいは曲のイメージに合ったものが作られます。キャラクターデザインにおいても、衣装はキャラクターの個性を表現する重要な要素です。
「アイドル衣装デザイン図鑑」は、主に女性アイドルが着る衣装デザインをもとに、キャラクターのイメージに合った衣装の描き方を伝える切り口の指南書です。定番イメージのアイドル衣装から、特定のテーマをモチーフにしたオリジナル衣装、素材感や装飾などのディテール、配色にいたるまで、女性キャラクターの魅力を引き出す表現を多数収録しています。
本記事では、第1章「衣装の基本」より、服の構造と描き方の基本に関する記述を抜粋してご紹介します。
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服の描き方・考え方の基本
服の構造は、筒の組み合わせでとらえるとわかりやすくなります。
服はすべて筒の組み合わせで考える
どんなに複雑に見える服でも、基本的な構造は筒の組み合わせだと考えられます。まずはシンプルに形を捉えることで、さまざまな服を描くための応用力をつけましょう。
基本の作り
首元、袖、胴、ボトムなどすべてのパーツが筒状になっており、それらを組み合わせることで立体的な服となる。
角度をつけたとき
角度をつけたときは、体の傾きに合わせてパースがかかる。ただし、どんな動きが加わっても、筒状であることに変わりはない。
トップス
- 襟は平面的に描くと胴とのつながりが不自然になる。見えない部分の奥行きも意識すること
- 裾の円形を意識しないと、胴が平面的に見えてしまうので注意
スカート
- スカートのデザインや丈の長さを問わず、筒状(円錐台)であることを意識する
- ウエストも筒状になっている
パンツ
- パンツも筒の組み合わせ。ウエスト、股上、2本に分かれた股下に分解して考えるとわかりやすい
靴
- 足首のまわりは筒状。足首から先は、靴底の形をイメージしながら描くとよい
曲げ伸ばしの動き
腕を伸ばしたとき
- 伸ばしているときは胴に筒状の袖がまっすぐついているようなイメージ
- シャツのカフスは袖とは独立した筒だと考えるとよい
腕を曲げたとき
- 筒が折れ曲がり、シワができる。曲がるストローをイメージするとよい
<玄光社の本>