いわゆる「写真館」では、人々が迎えた人生の節目や記念日の姿を写真に残すことを業としています。こうした写真を一般に「営業写真」と呼びますが、近年の営業写真は写真館の中で撮影するだけでなく、屋外で撮影するロケーション撮影も増えてきています。
「営業写真の撮り方見本帖」では、和装撮影をメインに活躍しているフォトグラファーの北井一大さんによる撮影の手法から心構えを伝えています。結婚式などのイベントや日常のワンシーンを思い出の1枚として残す技術と、それより先に持っておくべき考え方を学ぶことができる1冊です。
本記事ではChapter2「ジャンル別で見る営業写真の実践テクニック見本帖」より、お宮参りのワンシーンを撮影する際の一工夫を紹介します。
赤ちゃんの顔や小さなパーツを撮る
今しか撮れない要素を探そう
お宮参りのバリエーションを増やす意味では、パーツで切り取るのもおすすめです。右の写真では足の裏を撮影していますが、手のひらなども画になります。大きくなったときに、“こんなに小さかったんだね”と、家族みんなで振り返りながら眺められる写真をたくさん残してあげましょう。
また、お宮参りでは家族みんなでの写真のほかに、赤ちゃんの表情にクローズアップした写真もしっかり残しておくように心がけたいです。起きているところが撮れるとベストですが、仮に寝ていたり、泣いていても構いません。ぜひ、撮影しておきましょう。どんな様子もお宮参りのいい思い出になります。
Lighting Point
日陰で撮影。逆光の玉ぼけが入るようにややローアングルから狙っています。一見、ストロボを当てているように見えますが、これは自然光。わたしの背後に壁があり、太陽光がこの壁に反射し、お子さんの足の裏に当たっています。ノーストロボの写真です。
撮影のポイント
- 大人の手を入れて足の小ささを際立たせる
- 赤ちゃんの顔を縦位置で入れ込む
- 玉ぼけをアクセントにする