バズる! 写真編集術
第1回

「バズ」を生み出すSNSという装置

他者との交流を目的としてタイムラインに写真を投稿することは、SNSの黎明期より長く行われてきました。それは自然と、SNSを写真作品の発表の場としても機能する形に進化させています。

バズる!写真編集術」では写真を発表する場としてのSNSにおいて、より多くの人々に作品の魅力を届けるための考え方と調整方法を紹介。SNSで写真が拡散される現象についての考察をベースに、個々の作品で表現したいテーマに沿った調整の具体的な手順を作例のビフォー/アフターによって伝えています。

本記事ではIntroduction「『バズり』の正体を考える」より、「バズ」を起こすSNSの特徴についての考察を紹介します。

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バズる!写真編集術

SNSにおけるバズのメカニズム

SNSに作品を投稿して注目されたい、バズってみたい。では何をすべきか考えてみると、答えは案外と漠然としているものです。そもそもSNSとはどんなもの? まずはそこから考えてみましょう。

誰もがスマートフォンやデジタルカメラを手に携え、いつどこでも気軽に写真を撮影できる現代。そうして撮影された写真は、インターネットを通じていとも簡単に全世界に公開できてしまいます。インターネットはデジタルメディアにとっての自由の翼。SNSはまさに、そんな情報化社会の寵児ともいえる存在です。

SNSの特徴とは

SNSとは、正式にはソーシャル・ネットワーキング・サービスと呼ばれる、インターネットを介したコミュニケーションサービスのひとつです。

特定の事業者が一方的に情報を届けるマスメディアと異なり、SNSは利用者同士が情報のやり取りを行うのが特徴。テキストや画像、動画などのやり取りを通じて互いのつながりが促進され、マスメディアが不得手とする相互作用性や深い関係性を構築できるという強みを持っています。

加えてインターネットとアプリを利用できる環境さえあれば誰もが参加可能という、その敷居の低さもまたSNSの魅力といえます。

SNSはバズの発生装置

SNSでは、ある話題が急速に多くの人に拡散される「バズ」と呼ばれる現象がしばしば起こります。バズの語源は英語の「buzz」で、ハチが群がり飛び回る様子のこと。「バズる」という日本語もいまではすっかり定着しました。

実社会においても口コミなどのバズに近い現象はありますが、SNSのバズとの違いはその伝達の速さと拡散力にあります。口コミでは多くの人の耳に届くまでに時間を要しますが、SNSであればある話題が一夜にして何十、何百万人のもとへと伝達されることも決して珍しくはありません。

世の関心事と個人の主張とが大量に飛び交うSNSは、言わばバズを生み出す巨大装置なのです。


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