Lightroomではじめる 風景写真RAW現像テクニック
第4回

プロの現像テクニック 彼岸花の赤を「鮮烈」に、精密に作り込む

デジタルカメラやスマートフォンでは、撮影した写真の記録形式として「JPEG」のほか「RAW」という設定項目を選べることがあります。RAWは一言でいえば「撮影画像の生データ」。データ容量が大きいかわりに、JPEGよりも多くの情報を持っている未圧縮の画像ファイルです。

RAWはほかの画像ファイルに比べて特殊で、専用のソフトが必要になるなど扱いも難しく、「すぐ見られなくて面倒くさそう」「難しそう」といった理由で、RAWでの記録を敬遠している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

Lightroomではじめる 風景写真RAW現像テクニック」では風景写真をメインに、RAW現像ソフト「Lightroom」を使ったプロの現像テクニックを紹介。作例とした写真表現の方向性に「威風堂々」「爽快感」「幽玄」といったテーマを設定し、写真を調整する際の考え方や具体的な手順を学べます。

本記事では第2章「初級編」より、「鮮烈」をテーマにした作例の調整について解説します。

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Lightroomではじめる 風景写真RAW現像テクニック

彼岸花の赤を心に響く鮮烈な色に仕上げる

彼岸花の大群落で知られる場所へ出かけた。もちろん、目の前には彼岸花は咲いてはいるが、この日は大雨の後だったため、かなりの株が倒れていた。それはそれで絵にはなったが、生き生きとした姿も表現したかった。そこで、あちこちを彷徨うようにして、ようやくとある一画でスッと屹立する彼岸花の群落を探し当てることができた。しかし色はやや褪せ気味で、本来の鮮烈な赤の印象が薄い。とはいえ、ひとまずは画面いっぱいに赤を充満させるような構図を作り、納得いくまでシャッターを切った。構図には納得したので、あとは家に帰り、色に納得するまでRAW現像作業をするだけだ。

Before(現像処理前)
色が狙いと違うからといってあきらめる手はない。RAW現像を行えば、期待通りの色を出せるからだ。今回のような色づくりは、現場で撮影設定を調整すればできないことはないが、色が調整されたモニターを使うほうが、より精密に仕上げることができる。

After(RAW現像)

1. 画面全体のメリハリを強調するため「黒レベル」を使う
「黒レベル」をマイナス方向へ使うと、画面のシャドウ部が引き締まり、その結果メリハリが付く。ここでは「-50」まで下げることで、強めにメリハリを付けた。

2. 「自然な彩度」を使い鮮烈な赤を引き出す
カラーモードとしては標準系のプリセットを使っているので、実は赤飽和はしていない。そのため彩度を高めても赤は質感を保っている。この場面では「自然な彩度」を「+50」にして鮮烈な色を出した。


Lightroomではじめる 風景写真RAW現像テクニック

著者プロフィール

萩原 史郎&萩原 俊哉

萩原史郎(はぎはら・しろう)

1959年山梨県甲府市生まれ。日本大学卒業後、株式会社新日本企画で「季刊(*現在は隔月刊) 風景写真」の創刊に携わり、編集長・発行人を経験。退社後はフリーの風景写真家に転向。現在自然風景を中心に撮影、執筆活動中。2015年に初個展「色X情」を開催。東京を皮切りに、仙台、福岡、名古屋へと巡回。

カメラグランプリ選考委員
オリンパスデジタルカレッジ講師・山コミュ管理人
日本風景写真家協会会員(JSPA)

 

萩原俊哉(はぎはら・としや)

1964年山梨県甲府市生まれ。 広告代理店に入社、食品関連の広告制作に配属、カタログ制作、イベント企画等に携わる。 退社後、フリーのカメラマンに転向。浅間山北麓の広大な風景に魅せられて、2007年に拠点を移し、2008年に本格的に嬬恋村に移住。 現在自然風景を中心に撮影、写真雑誌等に執筆。また、2014年11月にはBS11で放送されている「すてきな写真旅2」に出演。最近ではセミナー講師など多数活動中。

カメラグランプリ選考委員
ニコンカレッジ講師
日本風景写真家協会会員(JSPA)

 

書籍(玄光社):
風景写真の便利帳
自然風景撮影 基本からわかる光・形・色の活かし方
自然風景撮影 上達の鉄則60
RAWから仕上げる風景写真テクニック
風景&ネイチャー構図決定へのアプローチ法


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