PERFECT PHOTO RECIPES BOOK
第10回

屋内写真の撮り方のレシピ 明るさを操って見せたいイメージに近づける

SNSや写真投稿サイトなどでは、上手な写真が溢れています。しかし、その中で作者の個性が光って、思いが伝わる「面白い写真」はどれだけあるでしょうか。写真家の野寺治孝さんは、著書「PERFECT PHOTO RECIPES BOOK(パーフェクト・フォトレシピブック)」の中で、撮影者の感性を活かした「面白い写真」の撮り方をわかりやすく、レシピ風に解説しています。

本記事では、光を読んで撮る屋内写真の撮り方をご紹介します。

PERFECT PHOTO RECIPES BOOK

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明るさの基準をどこにするかで印象は変わる。光を読もう。

【タイトル】
ホテルのレストラン

【難易度】
★★★★

【データ・機材・条件】

◯撮影場所:キューバ・ハバナ・サンミゲルホテルのレストラン
◯使用レンズ/撮影データ:16-35mm F2.8(20mm付近)1/40秒 F5.6 絞り優先AE -2/3補正 ISO400
◯使用機材/準備するもの:フルサイズデジタル一眼レフカメラ
◯光の状態:晴天の窓からの斜光
◯構図/アングル:ドアを中心にほぼ左右シンメトリーに

【撮り方】

◯被写体の発見:撮影に出かけようとレストランの脇を通ったら窓からいい光が差し込んでいた。
◯撮影方法:ピントは正面左の奥のテーブルに合わせる。窓の外からテーブルの下まで明るさに差があるので露出設定は慎重に。
◯注意点:垂直の線を傾けない。
◯レタッチ方法:黄をやや上げる。彩度をやや下げる。コントラストをやや強く。

【ポイント】
この撮影で一番重要なポイントは“光を読む”ことだ。窓の外を100とすれば右のテーブルの下はほぼ0だ。明るさの基準をどこにするかで出来上がる写真の印象は大きく異なってくる。見た目よりもやや暗めの露出にした。

 

 


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PERFECT PHOTO RECIPES BOOK

著者プロフィール

野寺治孝

野寺治孝(のでら はるたか)
1958年千葉県浦安市生まれ。
本郷高校デザイン科、にっかつTV映画芸術学院卒業。広告デザイン事務所、郵便配達員、牛乳販売業など職を転々とするが1984年にポストカードの自費制作販売を機にプロ写真家として活動を開始する。1991年に「有限会社スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。多岐にわたる被写体を空気感とストーリーを感じさせる独自の作風で多くの作品を発表している。

ウェブサイト:http://www.nodera.jp/
Twitter:@noderaharutaka
Instagram:@harutaka1958nodera
Facebook:harutaka.nodera

<主な著書>

『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』
『個性あふれる”私らしい”写真を撮る方法』

 

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