羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 動きのある人物スケッチ集 ヒロインキャラクター編
第3回

動作途中のポーズにもすべて意味がある

イラストや漫画で人間のキャラクターを表現する際には、人体がどのように動くのか、動かせるのか、その構造を理解することが重要です。不自然さのない、説得力のある動きの描写を練習するにあたっては、写真や映像を見たり、ポーズ集や3Dモデルソフトを活用するなど様々な方法が模索されています。

羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 動きのある人物スケッチ集 ヒロインキャラクター編」は、特にファンタジーやSFの世界観で活躍する女性キャラクターをメインテーマに据えたポーズ集。ジャンプや着地、素手や武器での戦闘アクションをはじめ、セクシーポーズや日常生活で見せる様々な瞬間のポーズまで、多様なシーンを想定したポーズを約400点収録。著者は1984年からアニメーターとして活躍している羽山淳一さん。

本記事では、Chapter2「ヒロインアクションポーズ」より、飛び降りから着地までのポーズ集を紹介します。

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羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ ヒロインキャラクター編

飛び降りる動作

高いところから飛び降りる動作。下のように連続動作で考えるとわかりやすいと思います。

実際に高いところから飛び降りるところを想像してみてください。足は自然に着地点を探るような感じで、目的のほうに足が向くはず。それに伴い上半身がついていくイメージになり、上半身はなるべくまっすぐにします。上半身を前傾させたりするのは不自然に見えます。

着地のポーズは体を抱え込むように、上半身を曲げて描きます。アクションポーズは実際に自分でやってみるのがいいでしょう。自分で描こうとするポーズに近づけるのではなく、自然なポーズを探してみましょう。動画にすることを考えた場合、不自然なポーズが入っていると、ぎこちない動きに見えます。

アクションポーズの手足の配置にはちゃんと意味があります。簡単な動作なら自分でやってみるのも確認方法のひとつです。

下の連続動作のうち「7」(左から二番目)の工程をピックアップして描いてみました。一連の連続動作を考えてから、ピックアップして描くと、自然なポージングになります。

空中でのポーズは想像だけで描くと、嘘っぽくなりがちです。一連の動作を確認してみましょう。自然なポージングが導き出せるはずです。


羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ ヒロインキャラクター編

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ

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