アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編
第7回

独特な構えの「カンフー」ポーズは遠近法を意識して描く

イラストや漫画で人間のキャラクターを表現する際には、人体がどのように動くのか、動かせるのか、その構造を理解することが重要です。不自然さのない、説得力のある動きの描写を練習するにあたっては、写真や映像を見たり、ポーズ集や3Dモデルソフトを活用するなど様々な方法が模索されています。

羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 動きのある人物スケッチ集 バトルキャラクター編」は、「戦う人物」をメインテーマとしたポーズ集です。素手での格闘を中心に、剣や銃、弓、槍、ヌンチャク、盾などバリエーション豊かなキャラクターのポーズを約400点収録。著者は1984年からアニメーターとして活躍している羽山淳一さん。

本記事では、Chapter2「バトルアクションポーズ」より、「カンフーアクション風」のポーズを解説します。

>この連載の他の記事はこちら
>前回の記事はこちら

羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編

カンフーアクション風のポーズ

カンフー映画に出てくるようなポーズをいろいろ描いてみました。カンフーは独特の動きやポーズがあるので、人体構造を把握する練習になります。

特殊なポージングではディテールにこだわりすぎず、体幹の流れが崩れないように遠近法を意識して描きます。

足が重なっているところが難しく、よく観察して描きましょう。体のひねり具合も重要。

正面を向いているポーズなので、正中線をきちんと意識して重心が安定しているように描きます。

腰の入り方で攻撃しようとする方向が定まります。

上げているほうの足は少し開き気味にしています。

カンフーの場合は顔の位置が相手に向かってまっすぐ正面を向いていることが多いようです。

足首の向きを決めたらそれに合わせて、膝の向きを割り出します。そういった構造の知識もおさえておきましょう。

足を広げている上に上半身をかがめている、複雑なポーズなので、腰の部分のひねり具合など要注意です。


羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ

関連記事