立体造形や絵画において人体を美しく見せる手法の一つに、「コントラポスト」と呼ばれるポージングの技術があります。片足に重心をかけることで両肩と腰の傾きを相反させ、左右非対称の姿勢をつくるコントラポストは、ポーズに動的な要素を加え、様々に応用できる技術です。
「動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編」では、コントラポストの考え方を基礎として、女性のポージングに特化した作画方法を指南しています。特にポージングに関する項目としては立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズなど、イラストレーションだけでなく、模型や3Dモデルの制作、写真のモデルとしてポーズしたり、ポージングを指示する際にも役立つ知識が得られる一冊です。
本記事ではPart.3-1「寝ポーズ基本編」より、仰向けに寝ている女性の描写に関する記述を掲載します。
基本的な寝ポーズ
仰向けでは背中とお尻、うつ伏せでは腕と腰が地面に着き、重心がかかっているので大きく動きません。自由にポーズできるのは足だけです。
寝ポーズCheck Point
- 軽くパースをつけてから描き始める
- 側面(肩、腰)のラインをキレイに
- 胴の厚み、腕の太さを意識して
- 地面についている部分をしっかり決める
仰向けの体を描く
地面に接したパーツを自然に表現し、官能的で美しい仰向けポーズを描きましょう。
基本の仰向けポーズ
仰向けポーズは背中の描写で印象が大きく変わります。女性らしさを強調する場合、背中を浮かせて胸を張り出すと美しくなります。
- 寝たときにどの部分が地面と接するかを意識して
- 胸を張り出すように
- 髪の毛の流れで色っぽさを出す
- 肩甲骨のあたりを地面につける
- お尻の始まりを地面につける
One Point Advice:寝ポーズこそ胸を張り出し美しく
寝ポーズを美しく見せようとするとき、腰と地面の間に必ず隙間が生じます。現実的には難しい体勢ですが、ポーズにメリハリをつけたいときには効果的。逆にリラックスしたポーズを描きたいときは、腰は地面にぴったりつけ脱力しているように描くとよいでしょう。
- 地面に接している部分を気にすること
- 顎の下を見せる
- 上から見た構図はパースに合わせて描く
- 内ももを見せる
上体を起こした寝ポーズは、腹筋に力を入れさせると美しく表現できます。
- 肘と肩に力が入っている
- 胸は張り出して
- 足先まで丁寧に美しく