動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編
第7回

セクシーだがポーズに制限のある「寝」の姿勢は接地部分を意識して

立体造形や絵画において人体を美しく見せる手法の一つに、「コントラポスト」と呼ばれるポージングの技術があります。片足に重心をかけることで両肩と腰の傾きを相反させ、左右非対称の姿勢をつくるコントラポストは、ポーズに動的な要素を加え、様々に応用できる技術です。

動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編」では、コントラポストの考え方を基礎として、女性のポージングに特化した作画方法を指南しています。特にポージングに関する項目としては立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズなど、イラストレーションだけでなく、模型や3Dモデルの制作、写真のモデルとしてポーズしたり、ポージングを指示する際にも役立つ知識が得られる一冊です。

本記事ではPart.3-1「寝ポーズ基本編」より、仰向けに寝ている女性の描写に関する記述を掲載します。

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動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編

基本的な寝ポーズ

仰向けでは背中とお尻、うつ伏せでは腕と腰が地面に着き、重心がかかっているので大きく動きません。自由にポーズできるのは足だけです。

寝ポーズCheck Point

  1. 軽くパースをつけてから描き始める
  2. 側面(肩、腰)のラインをキレイに
  3. 胴の厚み、腕の太さを意識して
  4. 地面についている部分をしっかり決める

仰向けの体を描く

地面に接したパーツを自然に表現し、官能的で美しい仰向けポーズを描きましょう。

基本の仰向けポーズ
仰向けポーズは背中の描写で印象が大きく変わります。女性らしさを強調する場合、背中を浮かせて胸を張り出すと美しくなります。

  • 寝たときにどの部分が地面と接するかを意識して
  • 胸を張り出すように
  • 髪の毛の流れで色っぽさを出す
  • 肩甲骨のあたりを地面につける
  • お尻の始まりを地面につける

One Point Advice:寝ポーズこそ胸を張り出し美しく
寝ポーズを美しく見せようとするとき、腰と地面の間に必ず隙間が生じます。現実的には難しい体勢ですが、ポーズにメリハリをつけたいときには効果的。逆にリラックスしたポーズを描きたいときは、腰は地面にぴったりつけ脱力しているように描くとよいでしょう。

  • 地面に接している部分を気にすること
  • 顎の下を見せる
  • 上から見た構図はパースに合わせて描く
  • 内ももを見せる

上体を起こした寝ポーズは、腹筋に力を入れさせると美しく表現できます。

  • 肘と肩に力が入っている
  • 胸は張り出して
  • 足先まで丁寧に美しく


動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編

著者プロフィール

Kyachi

女子美術大学デザイン学科卒業。在学中よりソーシャルゲームや書籍などでイラストを執筆。pixivにて、自身が作るコンテンツ『動きのあるポーズを描く時にコントラポストでいうのとか重心のこととかいろいろ便利みたいです』が20万人超のブックマーク数を獲得した。

書籍(玄光社):
動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編
動きのあるポーズの描き方 男性キャラクター編
キャラクターの色の塗り方
ドレスの描き方

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