アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編
第10回

連続した動作の流れを捉えるための練習法

イラストや漫画で人間のキャラクターを表現する際には、人体がどのように動くのか、動かせるのか、その構造を理解することが重要です。不自然さのない、説得力のある動きの描写を練習するにあたっては、写真や映像を見たり、ポーズ集や3Dモデルソフトを活用するなど様々な方法が模索されています。

羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ 動きのある人物スケッチ集 バトルキャラクター編」は、「戦う人物」をメインテーマとしたポーズ集です。素手での格闘を中心に、剣や銃、弓、槍、ヌンチャク、盾などバリエーション豊かなキャラクターのポーズを約400点収録。著者は1984年からアニメーターとして活躍している羽山淳一さん。

本記事では、Chapter4「アクションコマドリ」より、「蹴り」を繰り出すアクションシーンの動作を連続したスケッチで再現します。

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羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編

アクションコマドリ

この章では動画を参考にアクションシーンを再現してみました。シーンの一部を一連の動作で捉え、描き起こしています。

動画を何度か確認して、こういったラフスケッチをとったりしながら、一連の動作の流れを捉えるように練習してみましょう。瞬間的に体の構造を捉えることが訓練になります。

ハイキックの動作
少女のハイキックシーン。キックによる足の流れをよく観察して描いてみましょう。

1のファイティングポーズから一歩踏み込み2の状態に。3から4にかけて腕の振りを大きくしています。ハイキックが上から回り込む軌道をわかりやすくするために5のコマを入れています。6のコマはわかりやすくオーバーアクションで描いています。実際のポーズは下のような状態。

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3の動作ではバランスをとるための腕の動きにも注目。

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実際のポーズはこれくらいですが、よりわかりやすくオーバーにしてみました。

回転しながらの回し蹴りの動作
上と同様に少女が体を一回転しながらの回し蹴りのシーン。少し複雑な動作になってきますが、足以外の体の動作もよく観察しましょう。今回は蹴った後に足を引いて、着地する動作まで描いています。

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3の動作ではバランスをとるための腕の動きにも注目。

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羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ バトルキャラクター編

著者プロフィール

羽山 淳一

(はやま・じゅんいち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。

1965年、長野県出身。
高校卒業後ムッシュ・オニオン・プロダクションに入社。
『Gu-Guガンモ』(1984年)で動画デビュー。
『は~いステップジュン』(1985年)で原画デビュー。
『北斗の拳』(1987年)で作画監督デビュー。
『BE-BOP HIGHSCHOOL』(1989年)でキャラクターデザイン、デビュー。
1990年フリーランスとして独立。

書籍(玄光社):
アニメキャラクターの作画&デザインテクニック
羽山淳一 ブラッシュワーク
羽山淳一 アニメーターズ・スケッチ

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