メディアやステージで活躍するアイドルの衣装は、本人やグループ、あるいは曲のイメージに合ったものが作られます。キャラクターデザインにおいても、衣装はキャラクターの個性を表現する重要な要素です。
「アイドル衣装デザイン図鑑」は、主に女性アイドルが着る衣装デザインをもとに、キャラクターのイメージに合った衣装の描き方を伝える切り口の指南書です。定番イメージのアイドル衣装から、特定のテーマをモチーフにしたオリジナル衣装、素材感や装飾などのディテール、配色にいたるまで、女性キャラクターの魅力を引き出す表現を多数収録しています。
本記事では、第4章「装飾のアレンジと配色」より、「配色によって印象を操作する方法」を紹介します。
色のトーンによって与える印象が変わる
配色にはさまざまなテクニックがあります。理想通りの印象を見る人に与えるには、トーンを理解し、明るさや色味の強さを調整するのがポイントです。
トーンを理解して思い通りの色を作る
色の明るさの程度を「明度」、色味の強さの程度を「彩度」といいます。トーンとは、この明度と彩度によって分けられる色の系統のこと。「ペールトーン」「ダークトーン」「ビビッドトーン」などグループ分けされており、それぞれかわいらしい、暗い、派手などの印象を持っています。赤、青、黄色といった色にも、「ペールトーンの赤」「ダークトーンの赤」などさまざまな色味があり、同じ赤でも大きく印象が変わってきます。思い通りの色を作るためにも、トーンを意識することが大切です。
ペールトーン
白を混ぜたような淡い色合いで、ピンクや水色、黄色などの春らしい色が多い。女の子らしくロマンチックな印象。
イメージ:春、かわいらしさ、ふんわり
ビビッドトーン
彩度の高い色の組み合わせ。補色となる色同士(この場合は青と黄色)を合わせることで、対比が際立つ。
イメージ:夏、ポップ、フレッシュ
グレイッシュトーン
原色にグレーを混ぜたような深みのある色合い。大人っぽさと穏やかで落ち着いた印象を与える。
イメージ:秋、知的、落ち着き
ダークトーン
原色に黒を混ぜたような暗い色合い。温かみや生命感は感じられず、重く沈んだ印象を与える。
イメージ:冬、ミステリアス、重厚感
<玄光社の本>