行って眺めて撮る! 巨大工場探訪ガイド
第2回

北海道・室蘭市の巨大工場撮影スポット〜山や坂の多い地形を生かして撮る!

夜の闇に浮かびあがる、異世界感がSNS映えする巨大工場写真。今また人気が高まっています。工場写真の魅力は、圧倒的なスケール感、そして一般の建築物にはない複雑な造りが生み出す構造美。特にさまざまな光で明るく照らし出された夜景は、昼とはまた別の美しさがあります。書籍「行って眺めて撮る! 巨大工場探訪ガイド」では、日本各地の工場を取材している写真家・小林哲朗氏がフォトジェニックな工場スポットをピックアップ、それぞれの見どころや、そこでどんな写真が撮れるかを詳しく紹介します。また工場撮影の準備や心得、撮影のコツ、さらには撮った写真を美しく仕上げるための画像編集術も解説した一冊となっています。

本記事では「行って眺めて撮る! 巨大工場探訪ガイド」から、全国各地の巨大工場撮影スポットをピックアップして紹介していきます。第2回は北海道・室蘭市です。

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行って眺めて撮る! 巨大工場探訪ガイド

【安全のために注意したいこと】
立ち入り禁止区域にはぜったいに入らない!


北海道道央地方にある室蘭市は港を囲むように工場群が立地している

「室蘭(むろらん)」の語源は「小さな下りみち」を意味するアイヌ語の「モ・ルエラニ」という言葉が由来。室蘭港を中心としてすり鉢状の地形をしており、その名の由来のとおり坂道の多い街です。自然あふれる景勝地も数多くあります。

撮影スポット①

雨の中湿度が上がり、大量の水蒸気が空を覆っていた。 Nikon Z 6II, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR, F7.1, 8秒, ISO 200, -1EV補正

Googleマップ (撮影スポット①と④共通)

One Point Advice 霧が突然やってくるのでうまく組み合わせる

室蘭市では海で作られた霧が突如町にやってくる海霧という自然現象が起こります。工場部分にうまくかかると幻想的な工場夜景が見られます。最盛期は5〜7月頃ですが、運が良ければそれ以外のシーズンでも見ることができます。


製鉄所を中心とした工場を見ることができます。室蘭市は山や坂の多い街でそこに登ればさまざまな角度から工場を見ることができます。坂と工場のような地形を生かした構図が取りやすいです。また気象の変化が急な日も多く、さまざまな自然の変化と工場を組み合わせることもできます。

撮影スポット②

辺りを照らすほどの炎が時折出る。構図を決めて待つのもありだ。 Nikon Z 6, AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR, F7.1, 30秒, ISO 100

Googleマップ (撮影スポット②と③共通)

撮影スポット③

タイミングが合えば夕陽をバックに撮れる。この写真は7月に撮影。 Nikon D850, AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR, F7.1, 1/25秒, ISO 100, -0.3EV補正

撮影スポット④

霧で霞んでいるが、そのおかげで幻想感が増した。 Nikon D850, AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR, F10, 30秒, ISO 320

 

撮影スポット⑤

❺工場の複雑な部分を撮影。水蒸気のなびき具合で風の強さがわかる。Nikon D800, AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR, F10, 8秒, ISO 200

Googleマップ

撮影スポット⑥

昼間だと製鉄所のでティールがよくわかるので、ロケハンもしやすい。Nikon D800, AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR, F8, 1/400秒, ISO 200, -0.67EV補正

Googleマップ

撮影スポット⑦

坂の町、輪西地区。運が良ければ猫と工場が撮れる。 Nikon Z 6II, NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR, F8, 1/160秒, ISO 250

Googleマップ  (撮影スポット⑦⑧⑨共通)

撮影スポット⑧

夜の輪西地区。縦構図で高炉へ続く道を表現した。 Nikon D850, AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II, F9, 30秒, ISO 64, -1EV補正

撮影スポット⑨

横構図にすると、工場は小さくなるが、周りの風景を絡めやすい。Nikon D850, AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II, F9, 30秒, ISO 100, -1EV補正

行って眺めて撮る! 巨大工場探訪ガイド

著者プロフィール

小林哲朗

1978 年兵庫県生まれ。尼崎市在住。主な被写体は工場、路地、地下空間、廃墟などで身近に潜む異世界をテーマに撮影。各種撮影業務の他、カメラ誌への寄稿、写真教室の講師、フォトコンの審査員、トークイベントなども積極的に行う。「夜の絶景写真工場夜景編」(インプレス)「夜の工場百景ドローン空撮写真集」(一迅社)など著作物多数。

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