アニメーションのエフェクト作画テクニック
第3回

プロのアニメ作画テクニック「爆発による水柱」は重力を意識して描写する

アニメーション作品において、ある事象や現象の「動き」を表現するにあたっては、主体となる登場人物や物体を動かすほかに、動きに伴って環境に変化が起きたことを示す「エフェクト」の描写が必要です。

作品世界で起きた現象を表現するのにきわめて重要な要素でありながら、それ単体では注目されにくい「エフェクト」。アニメーターは現実に起こりうる現象から、物理法則を無視した表現にいたるまで、あらゆるシーンで説得力のある視覚効果を描く必要があります。

アニメーションのエフェクト作画テクニック」では、「弱虫ペダル GLORY LINE」や「楽園追放 -Expelled From Paradise-」などの作品でエフェクト作画監督をつとめたアニメーターの小澤和則さんが、様々なエフェクトの作画技術を伝えています。「炎」「水」「風」「光」「爆発」などのエフェクトについて動感を出すコツを解説しながら、「炎+煙」など、複数のエフェクトを組み合わせて見せる表現方法にも言及しており、アニメ作画の幅を拡げる実践的な内容です。

本記事では、Chapter2「水」より、「爆発による水柱」の表現方法についての解説を紹介します。

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アニメーションのエフェクト作画テクニック

爆発による水柱

水中で何かが爆発したシーンです。水中で爆発して水柱が上がり、重力によって下に落ちて消えるという流れです。場合によっては水蒸気やしぶきなどを透ける素材として別に用意し、それらを重ねる(ダブらしともいう)場合もあります。余談ですが、最初にT光で爆発の閃光を見せていますが、本当は酸素魚雷などは圧力で爆発しているので閃光は発生しません。アニメならではの演出ということで閃光を入れていますが、兵器によっての違いとかは実写映画やネット上の動画で調べて頭に入れておいたほうが良いですね。

上へと上がった水柱はやがて重力に負けて下に落ちていきます。その際、水柱を左右に裂けるように描いていくと重力による影響をうまく表現できます。

ある程度の高さまで上がったあとは崩れて下に落ちていくようなイメージで描きます。この段階になると水の先端部分はわりとギザギザな感じに描いたほうが水柱が崩れているように見えます。

 

水柱が崩壊した時は手前に重ねている波も大きく描くことで、水柱の崩壊によって波ができていることを表現します。水柱自体も上のほうは水しぶきとなり、段々と下に下がっていきます。

この辺りで水柱は姿を消し、手前の波と水しぶきだけの表現となり、最後には落ち着いた海面だけが残ります。


アニメーションのエフェクト作画テクニック

 

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