立体造形や絵画において人体を美しく見せる手法の一つに、「コントラポスト」と呼ばれるポージングの技術があります。片足に重心をかけることで両肩と腰の傾きを相反させ、左右非対称の姿勢をつくるコントラポストは、ポーズに動的な要素を加え、様々に応用できる技術です。
「動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編」では、コントラポストの考え方を基礎として、女性のポージングに特化した作画方法を指南しています。特にポージングに関する項目としては立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズなど、イラストレーションだけでなく、模型や3Dモデルの制作、写真のモデルとしてポーズしたり、ポージングを指示する際にも役立つ知識が得られる一冊です。
本記事ではPart.1-2「立ちポーズ応用編」より、人物が物を投げるときのポーズを描くポイントについて解説します。
何かを投げる体を描く
モノを投げるポーズは、腕の動き、胴のひねり、重心をかけた足の表現がポイントに。
バスケットボールを投げる
踏み込んだ足に重心がかかっていることを意識し、コントラポストをとります。それに従って肩の上げ下げを決め、動作をリアルに。
- 髪の広がりで躍動感をつけて
- 重心をかけた足側と反対の肩を上げ気味に描く
- 手のひらの形で投げるモノの形や大きさが決まる
- 重心側の腰が上がる
- 踏み込んだ足に重心がかかっている
- 衣服の広がりで投げる勢いに変化がつけられます
投げるポーズのバリエーション
手を振り上げて投げるポーズは、背中を反り返らせると勢いが増します。投げ終わったときのポーズは重心の移り変わりを意識して。
- 上げる足の形に気をつけて
- 背中を反り返らせると躍動的に
- 足の側面を見せると不安定さが表れ、投げる動作がリアルになる
- 腕を前方へ振り切った感じを大切に
- 胴をひねって上体の不安定さを表現
- 後ろ足のつま先から前足に重心が移ろうとしていることを意識して