動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編
第1回

コントラポストによる女性のポージングに特化した作画方法とは?

立体造形や絵画において人体を美しく見せる手法の一つに、「コントラポスト」と呼ばれるポージングの技術があります。片足に重心をかけることで両肩と腰の傾きを相反させ、左右非対称の姿勢をつくるコントラポストは、ポーズに動的な要素を加え、様々に応用できる技術です。

動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編」では、コントラポストの考え方を基礎として、女性のポージングに特化した作画方法を指南しています。特にポージングに関する項目としては立ちポーズ、座りポーズ、寝ポーズなど、イラストレーションだけでなく、模型や3Dモデルの制作、写真のモデルとしてポーズしたり、ポージングを指示する際にも役立つ知識が得られる一冊です。

本記事ではPart.1-1「立ちポーズ基本編」より、左足に重心を置いた姿勢の描き方についての解説を掲載します。

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動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編

基本的な立ちポーズ

重心をかけた足は真っすぐ伸び、重心側の肩は下げ、腰は上げます。膝のラインは腰と平行になり、投げ出した側の足は踵が浮きます。

立ちポーズCheck Point

  1. 肩と腰のラインは相反する
  2. 背骨のラインはS字に
  3. おへその位置に近い足が軸足になる
  4. 上がっている腰に手を添えると安定する

左足重心の体を描く

左足に重心をかけて立つと、各パーツがどのように上がり下がりするか覚えましょう。

基本的な左足重心
肩は右上がり、腰は左上がりになります。左足はまっすぐ伸ばし、右足は自由な方向に投げ出すように描きましょう。

  • 右肩を上げ、左肩を下げる
  • 左腰を上げ、左脇腹にくびれをつける
  • 太ももは柔らかい曲線を描く左足裏はしっかり着地させる

  • 背骨のラインがS字になるように
  • ほどよく隙間を空けて美脚に
  • 重心の足首は頭の真下に

Hint
左足重心を描くのが苦手な場合、まず右足重心で描き、それを反転させたものをトレースして練習してもOK!

左足重心のバリエーション
重心をかけていない足の投げ出し方で、さまざまな心理描写が表現できます。大きく投げ出せばアクティブに、小さくすれば淑やかに。

  • 肩は丸く描いて女性らしい雰囲気に
  • お尻を突き出すように描くとよい
  • 力の抜けている足の投げ出し方でイラストに表情をつける
  • つま先を立てると美しい脚のラインが完成する

Hint
スカートを履かせるからといって、脚をしっかり描かないのは危険です!

  • 重心がわかりにくいポーズの場合は、肩の向きで重心を導き出す
  • 腹筋もしっかり描く


動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編

著者プロフィール

Kyachi

女子美術大学デザイン学科卒業。在学中よりソーシャルゲームや書籍などでイラストを執筆。pixivにて、自身が作るコンテンツ『動きのあるポーズを描く時にコントラポストでいうのとか重心のこととかいろいろ便利みたいです』が20万人超のブックマーク数を獲得した。

書籍(玄光社):
動きのあるポーズの描き方 女性キャラクター編
動きのあるポーズの描き方 男性キャラクター編
キャラクターの色の塗り方
ドレスの描き方

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