「しずく作品集&撮影テクニック」(浅井美紀・著)では、水滴の中に別の被写体を映し込むための様々な技術を紹介していますが、写真作品としての完成度を向上させる工夫も併せて掲載しています。
本記事では、PART2「しずく作品を作る8つの演出」より、「お盆で水面を作る」の頁を抜粋します。
水面を背景に使うと、被写体を映り込ませてシンメトリーな構図を作ったり、色や模様を映り込ませて背景のバリエーションを作ることができます。水面を作った撮影方法を紹介します。
水面は、100円ショップの黒いプラスチックのお盆に水を入れて作っています。白いお盆はきれいな映り込みが作れません。水は、被写体をセッティングして、構図を決めてシャッターを切る直前にお盆の縁ギリギリまで入れます。水面にホコリや小さなゴミが浮いていると目立ちます。セッティングをする時は、洋服の袖を腕まくりして、ホコリが落ちないように気をつけています。
水面で幻想的な世界を作り出す
お盆の表面はツルツルしているものを選びます。ザラザラと滑り止め加工されているものは、水の深さが浅いときれいに反射されないことがあります。
CDケースなどで被写体の高さを調節し、その上にお盆を載せて撮影します。映り込ませたいものを背景に置き、LEDライトで光を照らします。
黒いお盆に水を入れただけの状態です。この状態で、きれいな映り込みができています。
背景に青い紙を置きました。水面に色紙の色が反射して、背景に色が付きました。
背景の色紙にLEDライトで光を照らします。この写真は綿毛の左上辺りを照らしています。LEDライトを近づけたり離したりすることで、グラデーションのでき方が変わります。
△白とびに注意
綿毛にLEDライトの光が直接当たってしまうと、綿毛が白とびしてしまうので気をつけましょう。
<玄光社の本>