メディアやステージで活躍するアイドルの衣装は、本人やグループ、あるいは曲のイメージに合ったものが作られます。キャラクターデザインにおいても、衣装はキャラクターの個性を表現する重要な要素です。
「アイドル衣装デザイン図鑑」は、主に女性アイドルが着る衣装デザインをもとに、キャラクターのイメージに合った衣装の描き方を伝える切り口の指南書です。定番イメージのアイドル衣装から、特定のテーマをモチーフにしたオリジナル衣装、素材感や装飾などのディテール、配色にいたるまで、女性キャラクターの魅力を引き出す表現を多数収録しています。
本記事では、第2章「定番アイドル衣装」より、「少女らしさ」を表現する「ロリータ」衣装の例を紹介します。
ロリータ(スイート)
キャンディの包みのようなデザインとフリル、リボンを多用した甘いロリータ衣装。服の構造をとらえてから装飾していくのが上手に描くコツ。
- キャンディの包みをイメージした袖。リボンで縛ったり、フリルを足したりしてロマンチックに
- コルセットにもキャンディのモチーフを。ウエストをギュッと絞り、下半身にボリュームを出してメリハリをつけている
- 互い違いに段が重なったスカートに、幅の違うフリルが施されている。まずはスカートの構造を描き、フリルを足していくとよい
複雑に見えるスカートはまず構造を理解する
装飾的なフリルを描く前に、構造を描く。段がアシンメトリーになるよう重ねると複雑さが出て豪華になる
たくさん重なった段も、一枚ずつウエスト部分から始まっていることを意識する
コルセットは機能的な部分をきちんと描いてリアルさを出す
- 金具を丁寧に描くことで、ウエストをギュッと締めている機能性も表現することができる
- コルセットの上に胸が乗るように描き、女性の体のやわらかさを表現
ゴシックロリータ(ロック)
ロックテイストを採り入れた、ちょっとハードなゴスロリ。シルエットはロリータの基本に沿って、少女らしいものにするのがポイント。
- かわいらしい印象のパフスリーブだが、ベルトをつけることでロックな雰囲気になる
- スカートの中のパニエにたくさんのリボンをつけたデザイン。不揃いなリボンが垂れ下がることで、アンバランスさを演出
- 足元はちょっとハードなブーツにするとバランスがよい
<玄光社の本>