赤城写真機診療所 MarkII
第3回

婦人科:写真業界は男性社会なのでしょうか?

赤城写真機診療所 MarkII」では、カメラや撮影にまつわる悩みや迷いを「疾患」に見立て、「撮影科」「カメラ科」「レンズ科」「婦人科」それぞれのカテゴリーで、質問を「症状」、回答を「診察」としてカメラや写真、撮影時の疑問に答えています。

「診察」と銘打ってはいますが、要は著者によるお悩み相談。「カメラあるあるネタ」に対する著者の見解を楽しむ一冊となっています。

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「赤城写真機診療所 MarkII」

本記事では「婦人科」における診察内容の1つをお届けします。

 

 

先日、写真のイベントに参加したら私以外の全員が男性でした。写真業界は男性ばかりで男性社会なのでしょうか?

参加者のほとんどが女性ばかりというワークショップも知っているし、逆に男性ばかりということもある。もちろんワークショップの内容によるということもあるが、講師の先生の人となり、ということも理由としてあるようなのだ。男前の写真家にはたくさんの女性参加者がくる。これは当然でしょうね。

ちなみに量販店やメーカー主催のモデル撮影会だけをみていれば男性の参加者が多いから写真業界は男性社会と見られてしまうかもしれないけど、時間をかけて写真制作を真摯に行うワークショップでは女性の参加者のほうが多いことも珍しくない。これは体験的に感じている。

女性の活躍はアマチュアの世界だけではなく、先日こんなこともあった。東京の某貸しスタジオで仕事をしたのだが、スタジオさんが全員女性だったのだ。この時は女性のタレントさんの撮影だったので、スタイリストやヘアメイク、編集者も女性で、なんと男が私ひとりという超孤独でアウェイ状態になったことがあり、ビクビクしながら仕事をしたのである。

会社の入社試験でも単純に成績順にとれば女性ばかりが合格となるところを、仕方なく男性がかろうじて入っているという世の中だし、先のスタジオさんの例でいえば、仕事上の男女差はなく、すでに多くの女性写真家が活躍しているのはあらためて言うまでもなかろう。

おおむね、女性は何を撮りたいのか、自分が写真で何をしたいのかがはっきりしているのでワークショップなどでも指導しやすいものなのだ。「何をどうしたらいいのかわかりません」と訴えてくるのはだいたい男性ばかりである。

うちにも過去、数名の女性アシスタントさんにお願いしていたことがあるが、圧倒的に男性よりも仕事がよくできましたね。自分の将来の目標がはっきりしているからだろう。

ただ、デキる女性がヘンな男が好きになったりする傾向が昔からあるように思うのだがどうだろう。非常に才能のある女性写真家が、ヘンなオトコが好きになりダメになり堕ちてゆく例も数例知っている。これは写真家だけではないのか。人の色恋沙汰に口を挟むほどヤボなつもりもないが、これは事実だから一応書いておいた。

とにかく、写真業界の将来は女性の活躍にかかっている。これは間違い無いのだ。

 

 イラスト:大村祐里子

 



赤城写真機診療所 MarkII

著者プロフィール

赤城 耕一


(あかぎ・こういち)

1961年、東京生まれ。東京工芸大学短期大学写真技術科卒業。出版社を経てフリーに。雑誌、コマーシャル、企業PR誌などで人物撮影を主に担当する傍ら、戦前ライカから最新のデジタルカメラまでレビューも行うカメラ好き。カメラ雑誌、書籍など執筆多数。
「銀塩カメラ放蕩記(アサヒカメラ)」「ボケてもキレても(月刊カメラマン)」連載中。

書籍(玄光社):
中古カメラはこう買いなさい!
ズームレンズは捨てなさい!

Twitter:@summar2
ブログ:赤城耕一写真日録

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