ウォーハンマーの世界
第6回

塗装のトーンを揃えて「集団」の魅力を引き出す

本格的な模型を駒として遊ぶミニチュアゲームとして世界的な人気を誇る「ウォーハンマー」シリーズは、駒として使える模型の造形もさることながら、組み立てた後のペイントにも魅力があります。

模型の塗装、と聞くと敷居が高そうに感じられますが、同シリーズの製作と販売を行っている英国ゲームズワークショップ社では、カラーチャートによって塗り手順や色味などを指定する「シタデルペイントシステム」を用意しており、これに対応した水性アクリル塗料「シタデルカラー」を使うことによって、誰でもペイントを楽しめる工夫が施されています。また、見本や設定にない独自のカラーリングに挑戦することが推奨されているのも特徴のひとつ。

模型雑誌「ホビージャパン」の別冊「ホビージャパンエクストラ 2018 Spring」では、ウォーハンマーシリーズを特集。ウォーハンマーの世界観から登場キャラクター、ミニチュア作例、プレイレポート、販売店ガイドなども収録し、日本におけるウォーハンマーの現在を俯瞰する内容となっています。

本記事では、モデラーたちがシタデルカラーを使ってペイントしたミニチュア作例のうち、北山優介氏が製作した「Spiteclaw’s Swarm」の作例を紹介します。

>この連載の他の記事はこちら
>前回の記事はこちら

ホビージャパンエクストラ 2018 Spring

 

『シェイドスパイア』のミニチュアは躍動感満点!かっこよく塗れば魅力倍増!!

ウォーハンマー アンダーワールド:シェイドスパイア スパイトクロウの群鼠 約5cm プラキット5体入り 4000円、発売中 発売元/ゲームズワークショップ

月刊ホビージャパンでも活躍する北山優介氏の最新作は、彼がもっとも推しているアーミーであるスケイヴンの最新モデルで『シェイドスパイア』のウォーバンドのひとつ「スパイトクロウの群鼠」。どれも躍動感あるミニチュアで、ディテールもキレキレ! 『シェイドスパイア』のミニチュアはカラープラで、接着剤も必要なく組み立てることができるので、本当にオススメの商品です。

北山氏のコンセプトは、薄汚れた装備に身を包んでいるとしばしば表現されるスケイヴンが、シェイドスパイアの財宝を得て装備が充実し、身なりも整った戦団になったというもの。その雰囲気を鮮やかなペイントで表現しています。

飢えたスケイヴン

忍び寄るスケイヴン

病めるスケイヴン

本作では北山氏の美しいグラデーションが遺憾なく発揮されている。特にこのミニチュアたちを活き活きとさせている「目」のペイントは素晴らしい。グァーグ!

フレッシュで眼球のモールドを丸く塗装→アグラックス・アースシェイドで眼球と目の周りの凹モールドにスミ入れ→ムート・グリーンで、眼球の縁を残しつつ眼球の凸部分を丸く塗装→ライノックス・ハイドで眼の瞳孔を点描。点描に適した濃度となるよう、20%程度の水道水で希釈するのがポイント。最後に瞳のハイライトを入れる。

ここで非常にオススメなのが“シタデルエアー”のホワイトスカー。点描に適した濃度となっており、極小のハイライトを打つのに最適。筆先をしっかりと整えて、瞳孔に少しかぶらせるように点を打つようにしよう。

5体のミニチュアをスピーディーかつ均等なグラデーションとするために、基本のベースカラーはシタデルエアーのキスレブ・フレッシュを使用してエアブラシ塗装。シェイドもレイクランド・フレッシュシェイドをエアブラシで塗装した。シタデルエアーのオススメ気圧は高めの0.15Mpa 。シェイドの場合は低めの0.06Mpaがオススメ。

信頼半ばのクルルク

スクリッチ・スパイトクロウ

 


<ホビージャパンの本>

ホビージャパンエクストラ 2018 Spring

関連記事