バズる! 写真編集術
第2回

「日常性」と「価値」の2軸で考える写真の4属性

他者との交流を目的としてタイムラインに写真を投稿することは、SNSの黎明期より長く行われてきました。それは自然と、SNSを写真作品の発表の場としても機能する形に進化させています。

バズる!写真編集術」では写真を発表する場としてのSNSにおいて、より多くの人々に作品の魅力を届けるための考え方と調整方法を紹介。SNSで写真が拡散される現象についての考察をベースに、個々の作品で表現したいテーマに沿った調整の具体的な手順を作例のビフォー/アフターによって伝えています。

本記事ではIntroduction「『バズり』の正体を考える」より、「バズる」写真の特徴についての考察を紹介します。

>この連載の他の記事はこちら
>前回の記事はこちら

バズる!写真編集術

バズる写真に共通項はあるか?

スナップ、ポートレイト、風景にテーブルフォトまで。SNSに投稿されるあらゆる写真に共通するバズる要素は何なのか。写真に新たなものさしを当てて考えてみました。

多くの要素が複雑に絡むバズですが、写真にスポットを当ててよりシンプルに考えることはできるでしょうか?

思考の補助線を引くために、まずふたつの軸を作ります。我々との関わりの深さをはかる「日常/非日常」の軸と、価値の持続性や一般性をはかる「限定的価値/普遍的価値」の軸です。この2軸を組み合わせ、以下の4つにSNS上の写真を分類することが可能です。

TYPE A: トレンド

日常的×限定的価値の特性を有します。季節性のあるものや、流行の被写体・撮影手法などが含まれます。真似をしやすい気軽さもあいまり話題になりやすいです。

TYPE B: あこがれ

非日常的×普遍的価値の特性を有します。絶景や有名なものや人など、すぐには手が届かない魅力的な存在を被写体とした、あるいは表現した写真が含まれます。

TYPE C: ユニーク

非日常的×限定的価値の特性を有します。被写体の特異さや非現実的な表現手法など他のカテゴリーより独創性の高さが際立つ写真が含まれます。

TYPE D: 親近感

日常的×普遍的価値の特性を有します。他のカテゴリーのような派手さはないが、時代や世代を超えて評価される、身近で陳腐化しにくい被写体や表現を含む写真です。

前ページで紹介した作品を当てはめると、梅は季節ものかつ手軽な観光名所としての「トレンド」に、夜景は日常を舞台にどこか非現実性を秘めた「ユニーク」に分類されます。このように写真の特性(写真から受ける印象)を踏まえることで、それぞれに適した投稿のアプローチを考えることができるのです。


バズる!写真編集術

関連記事