2015年に始まって以来話題を呼んでいる、キリン“HEARTLAND”アートプロジェクトの第３弾が発表された。今回のテーマは「JOURNEY（旅）」。HEARTLANDを愛する７名の画家・イラストレーターによって描き出された、“ビールを巡る旅”だ。
丁寧に時間をかけて作られたものならではの気持ちよさはそのままに、今までのプロジェクトと大きく違う点がある。それは、ポスターや映像の形だけでなく、１冊の本『Journey Around HEARTLAND』として綴じられていること。
本の冒頭には、「ビールを飲む。それはこの世界でもっとも短い旅なのかもしれない。」とある。その一文の通り、イラストレーターたちはHEARTLANDを飲むことの出来る実在の店を旅し、それぞれのテーマに沿って、見たもの、感じたものを描いた。作品の魅力に合わせて紙や印刷の工夫が細かになされているため、彼らが描いたスケッチブックを覗き見ているような、一緒に旅をしているような面白さがある。
また、本をめくるのとは少し違った楽しさがある公式サイトにも注目したい。旅先のホテルのテラスで本のページをめくっているかのような体感的な仕かけがあり、気になるページをクリックすればそこに描かれている場所にアクセス可能。今すぐ誰もが“世界でもっとも短い旅”への準備を始められる。紙とWebどちらにも、作家の目を通して描かれる、自由で魅力的な「旅」が待っている。
この企画のアートディレクターを務めた窪田新さんはこう語った。
「クラフトマンシップを体現しているHEARTLANDだからこそ出来る書籍と原画展は、大規模な広告キャンペーンとは違う記憶に残る仕事になった。描くモチーフはもちろん、印刷、紙、加工の細部まですべての力を注いだ。これほど作り手を本気にさせるブランドは他に知らない」
CCCメディアハウス／ 2017年／230頁／3,780円（税込）
Photo：船本諒
http://www.heartland.jp
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| この記事は「イラストレーション No.217」から転載しました |
