キャラクターデザインのための髪作画
第3回

髪を描く基本〜毛先の動きや「巻き」を表現する

キャラクターイラストにおけるヘアスタイルは、その人物の個性を印象付ける重要な要素です。描ける髪型のレパートリーが増えれば、キャラクター表現の幅が拡がります。

キャラクターデザインのための髪作画」では、イラストレーターの夏目レモンさん、ネコサンさん、maruさん、葉月ナツさんによるヘアスタイルの作例を多数収録。アタリからラフ、線画、着色のほか、メインに解説したヘアスタイルのアレンジ例も3パターン用意しています。監修はヘアメイクアップアーティストのAKIさん。

本記事ではPart1「髪を描く基本」より、髪型を構成する4要素のうち「毛先の向き・カール」について抜粋して解説します。

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キャラクターデザインのための髪作画

3. 毛先の向き・カールのつけ方を決める

カールをつけて毛先の向きを変える

毛先に向きをつけて巻くことを「カール」といい、髪型のシルエットに動きをつけます。「ストレート」を基準にして、内側に巻く「内巻き」、外側にハネる「外巻き」を使い分けましょう。

ストレート
まっすぐに伸ばした毛先。やや内向きに入れると自然なスタイルになる。


外側の毛を少し長めにすることで、自然なまとまり感がでる。

内巻きカール
内側に丸めたような毛先。全体的に軽やかになり、フェミニンな印象に。


丸めた毛先に空間をつくると、ふんわりとした空気感がでる。

外巻きカール
外側にハネたような毛先。髪にくびれができ、活発でおしゃれな印象に。


くびれをつくることで、毛先のハネをより強調できる。

ハーフカールとワンカールの使い分け

毛先の向きを決めたら、カールに強弱をつけましょう。ニュアンスをつける半回転の「ハーフカール」と、しっかり一回転させる「ワンカール」があります。

ハーフカール(内)
毛先を内向きに半回転させたカール。丸みのあるシルエットで、ナチュラルガーリーな雰囲気に似合う。


外側の毛先で包むように丸め、さりげないまとまり感をだす。

ハーフカール(外)
毛先を外向きに半回転させたカール。肩先のハネ感が、クールやアグレッシブな雰囲気に似合う。


外側の毛先で包むように丸め、さりげないまとまり感をだす。

ワンカール(内)
毛先を内向きに1回転させたカール。ふんわりとしたシルエットで、大人かわいいフェミニンな雰囲気に似合う。


毛先がしっかり内側に丸まっており、垢抜け感がでる。

ワンカール(外)
毛先を外向きに1回転させたカール。くびれの大きなシルエットで、色っぽいエレガントな雰囲気に似合う。


毛先を外側にしっかりとカールさせることで、こなれ感をだす。

サイドとバックのセクションで分ける

毛先の向きやカールを「サイド」と「バック」のセクションごとに分けて考えてみましょう。向きをそろえると統一感が生まれ、変えると動きが生まれます。

サイド:内巻き/バック:内巻き
サイドとバックを内巻きにしてつなげたスタイル。全体に統一感があり、まとまりが出る。ナチュラルな雰囲気に。

サイド:内巻き/バック:外巻き
サイドは内巻きにして顔のまわりを囲み、バックは毛先を外巻きにしてハネさせたスタイル。元気で明るい印象に。

サイド:ミックス/バック:ミックス
内巻きと外巻きをミックスさせたスタイル。毛束ごとに動きがあり、女性らしくおしゃれ感な印象に。

オーバーとアンダーのセクションで分ける

毛先の向きやカールを「オーバー」と「アンダー」のセクションごとに分けて考えてみましょう。髪の段がはっきりつくことで、髪型に動きがつきます。

オーバー:内巻き/アンダー:内巻き
オーバーを内巻きにし、アンダーも内巻きにそろえたスタイル。全体的にふんわりとした、やわらかい雰囲気に仕上がる。

オーバー:内巻き/アンダー:外巻き
オーバーを内巻きにし、アンダーを外巻きにしたスタイル。顔まわりが華やかになり、こなれた雰囲気に仕上がる。


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