旅客輸送、物流、防災、救難、軍事など、様々な領域で活躍する航空機。「もしも空を飛べたら、何がしたいか」という人々の願いを具現化し、用途に特化した機体の機能美は、写真の被写体としてもきわめて魅力的です。「飛行機写真の教科書」では、「飛行機写真」の定義から航空機の種類や運用に関する基礎知識、飛行機撮影に適した機材、撮影場所の選定をはじめ、季節や状況ごとの表現テクニックまで幅広くカバー。
一定の専門的な知識と高い撮影技術を必要とし、難易度が高めの撮影ジャンルではありますが、マスターすれば写真表現に大きく幅を持たせられることは間違いないでしょう。
本記事では、Chapter1「飛行機写真の基本」より、飛行機写真が持つ「記録」としての側面に関する解説を抜粋して掲載します。
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飛行機写真の基本はスポッティング写真
ひと口に飛行機といっても用途により多種多様な機種がある上、運用者により形態や塗装も違う。さらには1機1機登録番号が異なるわけで、これらを写真や手帳に記録してコレクションすることが飛行機趣味の原点といえよう。このような楽しみ方を飛行機趣味の本場ヨーロッパではプレーンスポッティングといい、スポッティングを楽しむ人はスポッターと呼ばれる。写真表現としてではなく、記録を目的とした飛行機写真では機体の真横、または真横に近いアングルで撮影するのが基本で、これらをスポッティング写真という。
同一アングルから撮られたスポッティング写真は資料的価値が高い上、飛行機写真における撮影技術の基本要素が多く含まれている。飛行機の動きと光線状態を把握した上で立ち位置とレンズを決定するなど、スポッティング写真には完成度の高い飛行機写真を撮る上での基礎が詰まっている。
機種や塗装の違いをコレクションする
機種の違い
旅客型と軍用型の違い
塗装の違い
登録番号の違い