中井菜央写真展「破れる風景/landscape fragment」

2021年4月24日(土)~6月13日(日)農と縄文の体験実習館なじょもん

©中井菜央

新潟県津南町の“農と縄文の体験実習館なじょもん” にて中井菜央写真展「破れる風景/landscape fragment」 が開催されている。会期は2021年4月24日(土)~6月13日(日) までで入館料は無料。2021年6月12日(土)には、中井菜央、写真家の田附勝、考古学者の佐藤雅一のトークイベントも開催予定。写真と考古学、異分野の3人それぞれが思う「時間」について語る。

「雪」をモチーフにした作品作りのために、豪雪地と呼ばれる各地を廻った私がたどり着いたのが「津南」でした。

この地で私はホワイトアウトを経験します。
それまで目の前に見えていたもの、すべてが風に煽られた雪によってかき消されてゆくのです。
色・形・影などの、「存在」を捉える手がかりを失った私の目の前は、ただの白い「無」と感じられました。
そこには雪という物質があるのに、なにも無いと感じさせる不思議な白。
この経験を経た私には、津南の冬の光景は、雪に覆われて隠された風景ではなく、何もない白の上に風景の切れ端がぽっかりと浮かんでいるように見えました。
その風景の切れ端の形は、降雪につれ刻々と変化して、また新たに造られてゆきます。

津南特有の湿り気が多く3メートルの高さに及ぶ雪と、ここに長く住み続けて来た人々の知恵が生んだ町並みとが意図せず作り出す束の間のビジョン。
私はその発見と記録に徹し、それによって「存在」と「無」を巡るシリーズを作りたいと思いました。
ー中井菜央 ステートメントより

<写真展情報>

中井菜央写真展「破れる風景/landscape fragment」

会期:2021年4月24日(土)~6月13日(日)
時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌日)
会場:農と縄文の体験実習館なじょもん
住所:〒949-8201 新潟県中魚沼郡津南町大字下船渡乙835
入館料:無料

お問い合わせ:農と縄文の体験実習館なじょもん
TEL:025-765-5511
E-mail:najo@najomon.com

<トークイベント情報>

日時:2021年6月12日(土)13:00~
会場:農と縄文の体験実習館なじょもん ホール
出演:
中井菜央×田附 勝(写真家 木村伊兵衛写真賞受賞)×佐藤雅一(考古学)
コーディネーター 奥野武範(ほぼ日刊イトイ新聞 編集者)
内容:写真と考古学、異分野の3人がそれぞれが思う「時間」について語ります。

<中井菜央プロフィール>

1978年 滋賀県生まれ。 日本写真芸術専門学校卒業。
出版社写真部勤務を経て現在フリーランス。
2018年 ファースト写真集「繡」(赤々舎)刊行。
2015年から津南の雪に惹かれ撮影を開始。
現在、妻有・魚沼エリアにていくつかのプロジェクトを進行中。

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